スザクは生徒会の雑務が暇なときは大抵猫と仲良くなろうと頑張っている。
猫じゃらし、ネズミのオモチャ等等、自分でペットショップに足を運んで猫用のオモチャを買って来ているようだ。
でもそんな努力も虚しく、猫はずっとスザクを知らん顔。
今だってそうだ。
一生懸命猫じゃらしを猫の前で動かしても、猫はツンと横を向いてしまう。
「スザクって小動物好きだろ?」
「まぁ・・・懐いてはくれないけど・・・」
話し掛けられ、首だけで振り返ると、少し照れ笑いをしながらスザクはオレの方を向き直した。
「昔からだな」
「そうだね」
優しい口調がこんなにも耳に心地良いのに、何故動物たちはスザクに懐かないのか。
そんなに構ってやる訳でもなく、優しくしてやるわけでも無いのに、昔からスザクよりもオレの方に来る小動物たち。
オレだったらスザクに懐きたい。
・・・・・・・・・って今なんて事を言ったんだ、オレ・・・
何気なく発した言葉に自分でも困惑する。
「どうかしたの、ルルーシュ」
首を少し傾げ、問うスザクに焦った自分を見られたくなくてワザと顔を背ける。
「??」
「な、何でも無い!!」
大きな声を出してみるが、スザクは更に困った顔をした。
不審がられて居るに違いない。
「あ、喉渇かないか?珈琲でも淹れてくる。」
適当な用事を作り、部屋から出ることを思いつく。
しかし、スザクは天然なのか、『僕は渇いてないよ』と言われてしまった。
そして、オレが使っていた机の上には、飲みかけの珈琲・・・
しまった・・・
冷めたから入れなおしてくるとかにしとけば良かった。
しかし、不自然なのは今更で・・・
でもスザクは気付かずに再度猫と仲良くなろうとオモチャを振り出した。
今なら逃げれるかも。
そう思い、椅子を後ろに引いた瞬間だった。
「僕、ルルーシュが猫ならもっと本気で懐いてくれるように頑張るよ」
立ちかけた姿勢のまま次の動作に進めなくなる。
どう言う意味だ・・・?
「あ、ごめん。どうかした?」
「いや、オレが猫ならって」
冷静に、冷静にと何度も心で繰り返しながら聞き返す。
スザクはあくまで素なんだけれど。
「うん、ルルーシュが猫ならこの猫よりも仲良くなりたいって思うよ。だってルルーシュにそっぽ向かれたら嫌だしね」
多分スザクにとっては親友として。
深い意味は無い。
その証拠に満面の笑みで微笑みながら話している。
でもそんな事を言われたらオレは・・・
「勝手に言ってろ!!」
心臓が急に早く動き出し、取り乱してしまう。
そしてそのまま椅子を思いっきり後ろにやると、逃げるようにしてスザクの前から走り去るしか出来なかった。
スザクの馬鹿・・・
こっちの気持ちも知らないで・・・
=END=
**あとがき**
なんか書けない・・・
ほわわんスザクさんが書きたかったのですが・・・
06.11.26